フリースクール「ラヴニール」の日常と、その他イベントのお知らせ・ご報告。他にはフリースクールとは? 学校に行かないあいだに何があった? などの連載をしています。
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■ NOと言えなかった、いい子な自分 ■
自分は担任だけでなく、いつも親や周囲の顔色も気にする子どもでした。学校に行ったなら担任の機嫌を損ねないように、忘れ物がないように支度をしなければいけないし、当然宿題も忘れないようにしなければいけない。漢字の小テストでもいい点を取らなければならない(実際クラス全体で平均点が悪いと、宿題量が増やされたため)。
学校の宿題も、特に算数の宿題については、自分で答え合わせをする前に母の採点がありました。母の採点時点でまちがっていた箇所は、母と1対1になってわかるまで解かされ、その後自分で採点をすると、いつも満点か満点近い得点。ですが何のうれしさも感じませんでした。自分の実力で解いたのではないのですから。また、母の採点を経てもまちがえていたり、逆に母の解答がまちがっていることもあったりしましたが、それについて指摘すると、
「まちがいに気づかないのがいけないんじゃないの」
と、母自身のまちがいを棚にあげて、責められるのは自分。
なかなか問題を解けないときでも、
「早くしてくれない? 夕飯がどんどん遅くなっちゃう」
と、やっぱり責められるのは自分。添削してもらわずに直接答えあわせをすればいいじゃないか、とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんが、自分で答えあわせをすることは、何度も確かめ算をする以外には、不可能でした。答えの部分はあらかじめ切り離してあって手元になかったし、
「解き終わったら見せなさい」
と口酸っぱく言われては、見せないわけにはいきませんでした。
模擬試験のようなものを受けたときに、どうしても自分で解いたものを出したいと言って母の採点を経ずに郵送してもらったら、その点数がかなり悪かったことがありました。
「ほら見なさい、どうせ自分でやっただけじゃ低い点数しか取れないんだから」
母からそう言われても、自分としてはうれしかったです。母が解いた問題ではなく、自分で解いた結果だったのですから。偽者の自分の実力ではなく、本当の自分の実力がわかったことがうれしかったのです。
それでも、母は宿題を自分で採点する前に採点することをやめませんでした。自分の実力ではないし、母のまちがいまで自分のせいにされるし、それなら思いきってNOと言えばよかったのではないか、と思われるかもしれませんが、自分がNOと言うことで親や相手が機嫌を悪くするのではないかと思うと、言い出せませんでした。言われたことに従うことは、親や他人のため。言うことを聞いていれば何事も問題にならないのだから、自分にとって不都合なことでも自分が我慢すればいいだけのことだと。犠牲になるのは自分だけですむんだと。
いやだと言うだけでなく、ちゃんと理由をつけて言い返す自信もあったはずです。
それでも言い返そうとしなかったのは、
「いい?これはあんたのためなんだからね。成績がよければいいほど、あんたにとっていいに決まっているんだから」
たとえ学力が自分の実力ではないとしても、親は自分のためを思ってしてくれている。そう思ったら反論なんてできませんでした。
昔から、自分の意思を言えたことがないと、振り返ってみて思います。言い返したいと思うだけ思って、それを言葉という形にして吐き出せたことがないなぁと。
体調を本当に崩してしまい、朝、登校前に吐き下したときも、
「行くか行かないかは自分で考えなさい。そのぐらいできるでしょ」
とは言われるものの、ウラまで勘ぐってしまい、
「この人は自分が学校を休むと言うと、『1回吐き下したぐらいで休むの?』と言うにちがいない」
「『そんなの自分がどんどん悪い方向に考えるから具合が悪いと思うだけで、本当はそんな大げさなことじゃないんでしょ?』って言われるに決まってる」
とまで考えて、休むと言い出せなかったことがあります。この年齢に至るまでに、選択肢を提示されて自分が思うほうを答えても、結局は親が思ったものに誘導されるなどしてきたために、相手の顔色を伺って、どんな答えを求めているのかを必要以上に考えてしまったり、自分の答えに自信がもてなくていちいち尋ねたりしていました。
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プロフィール
HN:
フリースクール「ラヴニール」
年齢:
14
Webサイト:
性別:
非公開
誕生日:
2010/04/01
自己紹介:
2010年4月より大阪市にて活動をしているフリースクールです。日常の様子、思うことなどを更新しています。過去には、学校に行かなかった体験談、フリースクールって何なん? も、連載していました(カテゴリ分けしてあります)。
ブログ投稿者:
代表と、スタッフ1名で担当しています。
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