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フリースクール「ラヴニール」の日常と、その他イベントのお知らせ・ご報告。他にはフリースクールとは? 学校に行かないあいだに何があった? などの連載をしています。 Posting of comments like the following will be declined: ・Comments other than Japanese. ・Comments that seems to be in Japanese through translation website.
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体験談2018.2.21

■ 頼ってみてもいいかもしれない ■

 適応指導教室は課題をこなすことがよしとされる部分があり、この課題をこなすことに困難を感じていた自分は、次第に通う日数を減らすようになりました。その代わり月に1回程度の開催だったB所には毎回行っていました。こちらのほうが自分にとって楽しい場所でした。
 前にも書いたとおり、そこでは本当にくだらない話で盛り上がったり、他には迷惑のかからない程度のふざけたこともやりました。鍋パーティーのときに水炊きの鍋に差し入れのお菓子や甘納豆を入れた人がいて、罰ゲーム的に誰が食べるか?なんて言っていたら、誰も気づかずにおいしく食べていた、なんてこともありました。
 こんな小さく羽目を外すことでさえ、自分にとっては楽しいと思えました。家でやろうものなら、家族の和を乱したとしてどれだけの罵声で責められるかわかりません。ちょっとした冒険やはみ出しが許容される雰囲気が、自分にとっては心地よかったです。他、前述の繰り返しになりますが、夜更かしができること、親元から離れられること、どんな話題でも聞いてくれるスタッフ――、この場所が本当にありがたかったです。

 中学2年も終わるあるころ、「そろそろ勉強のことも考えなきゃな」と口にしてしまいました。自分としても深く考えていたつもりではありません。ただ、まわりが高校に行くのだから自分も行かなければいけないのだろうな、というぐらいにしか考えていませんでした。中学に行けないのだから高校に行けるわけがないと思いながらも、もし3年生になって勉強をがんばれば、まだ進学の可能性もあるかもしれないと、どこかで考えていました。
 何気なく言ったことなのに、たまたま一緒にしゃべっていたスタッフは、それを聞き逃しませんでした。恐らくスタッフから根掘り葉掘り聞かれたはずで、「尋ねられたら答えなきゃ」と思ったことも事実です。だけど、親に尋ねられるような威圧感はまったくなく、「言いたくない」という気持ちには、不思議となりませんでした。よくわからないと答えても、わからないことはわからないとして受け止めてくれました。家だったら、そうはいかなかったでしょう。「自分のことでしょ?そのぐらいわからないの?」と言われ、なんとしてでも答えを要求されたと思います。

 話す中で自分として気がついたことがありました。言葉にすることで気持ちを整理することができるというのを初めて感じたときかもしれません。

・自分としては勉強はしたい。だけど、その方法がよくわかっていない。
・普通の塾に行くのはいやだ。周りは普通に学校に行っている子ばかりだから。
・だから、1対1で教えてもらえる塾か家庭教師がいい。
・学校に行っていないという事情をわかってくれる人がいい。可能ならB所のスタッフ。

 適応指導教室もそうですが、B所でも、スタッフは参加者とのプライベートな付き合いはしない、というルールがありました。あくまでB所の中での関係を守る観点から、B所のスタッフが家庭教師となるのは難しいけれど、誰か知り合いを探してみることはできる、と言われました(実際B所のスタッフには、家庭教師のアルバイトをしている人も多くいました)。
 結局B所のスタッフづての家庭教師は、相性がうまく合わなかったこともあって教えてもらうことはなかったのですが、それでも、B所のスタッフはこれまで接してきた人たちと何かがちがうなと思えました。
「この人たちになら、何かを相談してもいいかもしれない」

 初めて、自分の心を曝け出してもいいと思える人に出会えました。
 それからは、プライベートな付き合いはしないというルールがあったにもかかわらず、何か悩みごとができたなら、夜遅くにつかまるスタッフというスタッフに電話をかけて、相談していました。まだ携帯電話のない時代、みんなが寝静まったころを見計らって電話の子機を部屋に持ち込み、ドアを閉めて、長いときは1時間ぐらい付き合ってもらったでしょうか。深夜だから、親にドアを開けておくよう強要されることもありません。内容は主に親へのグチ。延々とグチを言っていたことは覚えているのですが、振り返ってみて、相手から何かアドバイスをもらったっけ? と思い返してみても、何も思い当たりません。

 あのときがなかったら、自分は今でも他人に対して心を開かず、人を信じられないままだったと思います。
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プロフィール
HN:
フリースクール「ラヴニール」
年齢:
14
性別:
非公開
誕生日:
2010/04/01
自己紹介:
2010年4月より大阪市にて活動をしているフリースクールです。日常の様子、思うことなどを更新しています。過去には、学校に行かなかった体験談、フリースクールって何なん? も、連載していました(カテゴリ分けしてあります)。
 
ブログ投稿者:
代表と、スタッフ1名で担当しています。
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