フリースクール「ラヴニール」の日常と、その他イベントのお知らせ・ご報告。他にはフリースクールとは? 学校に行かないあいだに何があった? などの連載をしています。
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■ 自己否定を育くむ場所 ■
自分の記憶にない時代をさかのぼると、生活の基盤は、地方の小さなアパートがスタートだったようです。物心がついたころには、自分の周りには両親はもちろん、弟もいました。
程なくして一家で一軒家に引っ越し、このときから祖父母との同居が始まりました。同じタイミングで幼稚園に通うようになりますが、自分は幼稚園が嫌いでした。
嫌いだったとはっきり気づいたのはだいぶ大きくなってからですが、どうして幼稚園に通わなければいけないのだろうと思ったことだけは覚えています。特に嫌いだったのが晴れた日でした。
晴れた日には園庭で遊ぶことが多く、この園庭遊びが自由に遊ばせてくれるのならいいのですが、鉄棒をやるだとか、大縄跳びをするだとかとなると、
「うわ、鉄棒だ」
「縄跳びか」
という気持ちになりました。自分ができない姿をみんなに晒すことが、恥ずかしくていやだったのです。ただできないならいいんですが、必ずそこに入ってきたのが、担任や、他の同じ年齢のクラスの教諭による評価のまなざしでした。
「何でいつもできないの?」
と、問い詰められ、できた子とできなかった子は分けられる。できた子の人数がどんどん増えていくのを、複雑な気持ちで見ていました。
「もっとお遊びの時間に練習しなさい」
とまで言われたように覚えています。一定の条件下でならばできたので、練習する必要があるようには思いませんでした。
「ちゃんとできるのに、どうしてできないって言われるんだろう?」
不思議で仕方がありませんでした。
そのうち鉄棒ができないメンバーは固定化されていき、
「いつもできないのはこのメンバー!」
「できない子はお部屋に帰れないよ」
と脅される始末でした。
「本当はできるんだよ!先生はできるところを見てないでしょ!」
と言いたくてたまりませんでした。しかし相手は大人、先生。幼稚園に入るまで自分の周りはほとんどが大人の中で育ってきて、
「大人の言うことは正しいのだから、言うことを聞かなきゃいけないのよ」
と、ずっと祖母から教えてこられました。先生は大人だ、だから言っていることは正しいんだと信じて反論せず、できない自分が悪いんだとずっと思っていました。
先生が指定するものよりひとつ低いところでならできていたのですが、先生が指定する高さでできなければいけないんだ、と。自分ができるようになりさえすれば、怒られないんだと思っていました。
幼稚園は週2日お弁当で、あとは給食でしたが、いつも給食の時間が終わっても食べている常連でした。ある日、通院する関係で早く迎えに来た母に、先生が笑って言った言葉が忘れられません。
「いつも給食残して、好き嫌いばかりしてるからよ」
食べ物の好き嫌いはほとんどないのに、小食だったので時間内に決められた量を食べきることができなかっただけ。そして母も先生に便乗してこう言う。
「ダメじゃないの、好き嫌いしてちゃ」
なぜ給食が苦手だったのかは今でもわかっていません。今でも食べ物の好き嫌いはあまりないほうだと思いますが、家では好き嫌いなく食べている姿を見ながら、親が先生と一緒になって自分を責めたことは、忘れません。
幼稚園の先生はその子のためを思って、もっとがんばりなさい!という気持ちで言っていたのだと思います。それで本当にがんばれる子もいる一方で、期待に応えなきゃと努力するも、どうにもできなくて、「自分はダメな子、できない子」とどんどん自分を追い詰めて萎縮してしまう子もいるのです。
親も自分の子どものことをかばうことなく、先生と一緒になって自分を否定していたことで、小さいころから、どう努力してもできない自分に嫌気が差して、「どうせ自分なんて何をやってもダメ」と考える自分が育まれていたように思います。
自分を否定されても、それでもがんばらなきゃと思うのは、できないままでは周囲に見捨てられるのではないか、という恐怖から。しかし実際はがんばってもできない。もう自分なんて認められる・愛される資格なんてないんだと絶望する。まだ4歳、5歳といった小さなころから自己否定感が育まれていた気がします。
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プロフィール
HN:
フリースクール「ラヴニール」
年齢:
14
Webサイト:
性別:
非公開
誕生日:
2010/04/01
自己紹介:
2010年4月より大阪市にて活動をしているフリースクールです。日常の様子、思うことなどを更新しています。過去には、学校に行かなかった体験談、フリースクールって何なん? も、連載していました(カテゴリ分けしてあります)。
ブログ投稿者:
代表と、スタッフ1名で担当しています。
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