忍者ブログ
フリースクール「ラヴニール」の日常と、その他イベントのお知らせ・ご報告。他にはフリースクールとは? 学校に行かないあいだに何があった? などの連載をしています。 Posting of comments like the following will be declined: ・Comments other than Japanese. ・Comments that seems to be in Japanese through translation website.
[246]  [245]  [244]  [243]  [242]  [241]  [240]  [239]  [238]  [237]  [236


■ 高校在学中の生活 ■

 通信高校在学中は、月に数日学校に行き、家では課題をこなし、空いた時間はとりあえず趣味に費やしていました。課題はそう多くなかったのですが、ある程度計画を立ててやっていかないと、学校に行かなくなる前のように終わりきらなくて困ることになると思い、1日あたりどれだけやるかと綿密に計画を立てて、用事が入ったりして予定通り行かなかったらまたすぐに計画を練り直して、そのぐらいきっちりと取り組んでいました。
 ですが、課題さえやってしまえばあとは暇であったことも事実で、それでも趣味に思いきり時間を費やすことはできませんでした。何しろ、中学のときからそのままずっと、部屋のドアを開けっ放しにしておかなければいけないというルールは継続されていて、監視の目が気になって趣味に没頭することができません。まだ何か物語を書くなら、「作文の課題が出ている」とごまかせましたが、好きな絵を描くとなると、いざというときに隠せるように、常に気を張っているような状態でした。

 日中は絵の下書きをして、母が買い物などで出かけて不在のあいだに、ペンでなぞる、などの片付けに手のかかる作業をしていました。ちょうど高校の近くに大手の小売店があったので、毎月の小遣いと相談しながら、イラストを描くのに必要なペンやインクを買って帰ってきては使って、ちょっとした漫画家気分を味わっていました。
 高校在学中に、父の仕事の都合で祖父母と別居することになり、引越しをするときには、自分の分の片付けが比較的スムーズに進み、弟の分も弟にたずねながら手伝えたぐらいでした。弟からは、
「どうせ時間余ってんだろ? だったら手伝って」
 と言われて、余ってて悪かったなと思う反面、弟は部活で朝早くから夜も遅くまで不在、テスト前などで部活が休みでも、個人練習だと言っては結局普段の部活のある日と同じぐらいに出ていき、帰ってきてとしていたので、1日家にいると珍しがられるぐらいでした。
 時間が比較的ある自分と、時間のないなかで何とかやっている弟と、足して2で割ったらちょうどいいのになと思いながら、手伝っていた覚えがあります。
 空いた時間が多いのでアルバイトを併用する人も多いみたいですが、自分の場合はしませんでした。というより、させてもらえませんでした。この年齢になると友人からコンサートや一緒に遊ぶなど誘われることがあり、親から毎月定額を小遣いとしてもらってはいましたが、それ以上に自分で稼ぎたいと考えたのです。
「子どものうちは勉強に集中しろ」
との言いつけで、アルバイトはしばらくさせてもらえませんでした。コンサートにも、実は未だに行ったことがありません。

 勉強以外の理由としては、飲食店でアルバイトしたいと言うと、

「お前みたいな要領の悪いやつが、注文とったり料理つくったりできる訳がないだろ」

 それならばスーパーやホームセンターなどのレジは、と言うと、

「対応に手間取って迷惑かける姿しか見えないな」

 と返され、「アルバイトをしたい」という気もちを、まず否定されることから始まり(それも自分を)、つまりはどんな業種であれアルバイトをさせたくなかったのだろうと今なら思いますが、「こんなに否定される自分は、アルバイトさえもできないのか」

と落ち込んだのも、事実です。


 アルバイトをしなかった分勉強できる時間は圧倒的にたくさんあったはずなのですが、自分が思っていたようには勉強が進みません。特にがんばらなければいけない科目もわかっていたのに、そちらについては基礎的な部分がほとんどで、もっとレベルの高い部分については手を出せない状態で、早くもあせりが出てきました。

 あせると同時に父からはプレッシャーをかけられます。

「○○さんのところは夜も相当遅い時間まで睡眠時間を削ってやっている。それに比べてお前は夜はテレビを見ては笑い、日付が変わる前にはさっさと寝て、朝も起きる時間は遅い。それで大学に行けるとでも思っているのか?」

 これが3年生となると、さらにプレッシャーがかかってきました。

「お前はどこの大学に行くつもりだ?まさか有名大学以外を考えてるわけじゃないよな?」

といとも簡単に名前の通った大学名を並べ、一方で

「専門学校?どうせ落ちこぼれが行くところだろう。短大?そんなの就職に不利だ」

と、自分の価値判断だけで語るのです。

 このとき、母は自分のことをある程度理解したようなことを言ってくれました。

「今ヒロが学校に所属しているというだけでお母さんは安心なんだから、とりあえず卒業だけしてくれたらいいから。その先は専門学校でも大学でも、行きたいところに進学してくれればいいから」


 勉強を強要しない点については助かりましたが、卒業にこだわっていたり、その先には進学することしか考えていないのかとも受け取れる発言でした。

PR
プロフィール
HN:
フリースクール「ラヴニール」
年齢:
14
性別:
非公開
誕生日:
2010/04/01
自己紹介:
2010年4月より大阪市にて活動をしているフリースクールです。日常の様子、思うことなどを更新しています。過去には、学校に行かなかった体験談、フリースクールって何なん? も、連載していました(カテゴリ分けしてあります)。
 
ブログ投稿者:
代表と、スタッフ1名で担当しています。
P R
忍者カウンター
Copyright © ラヴニールブログ「未来堂」 All Rights Reserved.
Designed by 10p
Powered by Ninja Blog

忍者ブログ [PR]