■ 高校在学中の生活 ■
日中は絵の下書きをして、母が買い物などで出かけて不在のあいだに、ペンでなぞる、などの片付けに手のかかる作業をしていました。ちょうど高校の近くに大手の小売店があったので、毎月の小遣いと相談しながら、イラストを描くのに必要なペンやインクを買って帰ってきては使って、ちょっとした漫画家気分を味わっていました。
勉強以外の理由としては、飲食店でアルバイトしたいと言うと、
「お前みたいな要領の悪いやつが、注文とったり料理つくったりできる訳がないだろ」
それならばスーパーやホームセンターなどのレジは、と言うと、
「対応に手間取って迷惑かける姿しか見えないな」
と返され、「アルバイトをしたい」という気もちを、まず否定されることから始まり(それも自分を)、つまりはどんな業種であれアルバイトをさせたくなかったのだろうと今なら思いますが、「こんなに否定される自分は、アルバイトさえもできないのか」
と落ち込んだのも、事実です。
アルバイトをしなかった分勉強できる時間は圧倒的にたくさんあったはずなのですが、自分が思っていたようには勉強が進みません。特にがんばらなければいけない科目もわかっていたのに、そちらについては基礎的な部分がほとんどで、もっとレベルの高い部分については手を出せない状態で、早くもあせりが出てきました。
あせると同時に父からはプレッシャーをかけられます。
「○○さんのところは夜も相当遅い時間まで睡眠時間を削ってやっている。それに比べてお前は夜はテレビを見ては笑い、日付が変わる前にはさっさと寝て、朝も起きる時間は遅い。それで大学に行けるとでも思っているのか?」
これが3年生となると、さらにプレッシャーがかかってきました。
「お前はどこの大学に行くつもりだ?まさか有名大学以外を考えてるわけじゃないよな?」
といとも簡単に名前の通った大学名を並べ、一方で
「専門学校?どうせ落ちこぼれが行くところだろう。短大?そんなの就職に不利だ」
と、自分の価値判断だけで語るのです。
このとき、母は自分のことをある程度理解したようなことを言ってくれました。
「今ヒロが学校に所属しているというだけでお母さんは安心なんだから、とりあえず卒業だけしてくれたらいいから。その先は専門学校でも大学でも、行きたいところに進学してくれればいいから」
勉強を強要しない点については助かりましたが、卒業にこだわっていたり、その先には進学することしか考えていないのかとも受け取れる発言でした。
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