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フリースクール「ラヴニール」の日常と、その他イベントのお知らせ・ご報告。他にはフリースクールとは? 学校に行かないあいだに何があった? などの連載をしています。 Posting of comments like the following will be declined: ・Comments other than Japanese. ・Comments that seems to be in Japanese through translation website.
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毎日移転関係の記事だとさすがに飽きてしまうので、たまには趣を変えまして。
Hさんが、小学校のときの思い出を語ってくれました。
 
 
 
私が卒業した小学校は、ものすごく珍しい学校だったと思います。田舎育ちだとはいえ、その市は県の中でも2番手の市で、市の主要駅からも大人の足なら徒歩20分弱ぐらいの、住宅街の中にある小学校でした。

そんな、どこにでもありそうな小学校には、小さな小さな「森」がありました。
 
・・・といっても、やせた細い木がひょろっと生えた小高い丘のような場所で、とても森なんて呼べるような場所ではありません。
こんな場所だったけど、私はこの森から様々なことを学びました。
 
秋が来て葉が紅く染まることを「紅葉」と言うと知ったこと。
 
自分が1年かけて観察する木を決めて、観察日記をつけたこと。
 
観察日記なのだから、木の絵も描きました。色の塗り方が上手な子がいて、どうやったらきれいに塗れるのか教わったこと。
 
観察を始めて1年ちょっと、ようやく花が咲いたこと。
 
特定の木を決めて観察をしていたのは1年間だったので、花が咲いたときには特定の木の観察は終わっていたのだけど、以後もずっと、気になる存在ではありました。
 
その後もずっと、森を通じての学びは続きました。
特定の木にとどまらず、森全体へと観察対象は広がって、
 
どの木のどの花がいつごろ咲くのか。
 
木の名前の由来。
 
などから、森を通じてもっと広く、「酸性雨」などの環境問題について取り上げることも。
 
教科でいえば「国語」「理科」「図工」「社会」などにあたるでしょうか。森を観察している間は、このような教科による縦割りに区分されることなどなく、複数の教科にまたがるようなことを、自然にやっていたのです。
 
私たちの学年は、卒業するまでの間で特定の木から森全体へ、と、森のことのみで終わりましたが、中には、森での学びから環境問題へと発展する学年や、、森だけでなく近くを流れる川のことへと内容を発展させることもありました。

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こういった学びは、今の時代に合わせた言葉でいえば、「総合学習」ということになるのではないでしょうか。
 
私たちの時代にはまだ「総合学習」といった言葉はなかったけれど、教科にとらわれず、ひとつのことから始まって学びの範囲を広げていく・・・。
これは、どこかの私立の小学校の話ではなく、ごく普通の、公立小学校での話です。
 
経験する何事も学びである、と考えるのは、このような体験からです。何も森だけが学びの場所ではなくて、日常のありとあらゆるところに学びは転がっていて、それをひとつの教科に押し込めるのではなく、あらゆるものとつながっている。そのつながりは、自分自身を豊かにする。
 
だから私は今でも、学ぶことが大好きです!
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プロフィール
HN:
フリースクール「ラヴニール」
年齢:
14
性別:
非公開
誕生日:
2010/04/01
自己紹介:
2010年4月より大阪市にて活動をしているフリースクールです。日常の様子、思うことなどを更新しています。過去には、学校に行かなかった体験談、フリースクールって何なん? も、連載していました(カテゴリ分けしてあります)。
 
ブログ投稿者:
代表と、スタッフ1名で担当しています。
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